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2012年09月08日01/ 時15分
の記事
「高津川」
皆さんは“高津川”をご存知ですか?
少なくとも2007年度、2010年度に国土交通省発表で水質日本第一位に選ばれている島根県西部(石見地方)を流れる川です。
私はこの地方で育ちました。
今回、このHP(空と道のうた~佳静~)のLINKに以前の私のHP(心のたび)を入れておきました。その中のプロフィールでも少し触れています(こちらは現在更新はできませんが、見ることはできます)。
実は最近「高津川 日本発の女性眼科医右田アサ」若倉雅登著(青志社)の本を頂きました。私が島根県の石見地方の出身と知っている方からです。
そして、読んであまりのちかしさに驚愕しています。
右田アサ先生とは日本の女性眼科医第一号の女医さんです。当時女性が医師になることの困難さは想像を絶するほどです。これは日本女医第一号の荻野吟子先生の生涯が書かれている「花埋み」(渡辺淳一著)を読むとそのすごさが身にしみてわかるわけです。
その詳しい話はさておき、ともかく、その右田アサ先生は私と同じ小学校を卒業されていました。そして、浄土宗暁音寺に眠っておられました。不覚にもこれまでこの本を読むまではそのことを全く知りませんでした
浄土宗暁音寺には私の祖父、祖母、父も眠っています。小さい頃から毎年伺っていたお寺に先生はひっそりと眠っておられたということになります。
そして、私が最も感動したのは
島根県のしかも石見地方はずっと封建的な場所だと、そこに住んでいた私自身が思っていたわけですが、
当時医師になるのに(医術開業試験の合格までに)、この地方から東京にでる旅費、下宿代、生活費、医学校(済生学舎に入られたようですが)の入学金、授業料などでざっと最低300円(当時の小学校教員の初任給の3年分を越える額とのこと)かかる時代、
医師になりたいという強い意志を表明した当時たった16歳の少女のために、貧しい彼女の村の人たち、関係者がお金を出し合ったという事実です。
「石見は田舎だが、皆が力を合わせれば、石見から女医を誕生させることはできるに違いない。この村が生み出す医師であるのだから、村のすべての人々が恩恵に与かることになる。それはまちがいなく村の誉でもある。アサが女医として戻ってくる暁に、わしはこの世にはいることは難しいであろうが、どうだ、みなで今、アサを後押ししようではないか(小説より引用改変)」
また、進徳義塾とよばれる私塾が、臨済宗の寺院の医光寺で行われ、慶應義塾大学教授、北里研究所副所長を歴任する泰佐八郎もここで学んだとありました。
この地方にも「新しい西洋の学問を取り入れるエネルギーが及んできたのである。」とまで書かれてありました。
「そう
私はいなかが好きです 都会はきらいです
そう
私はここ都会が好きです いなかはきらいです」
これは以前私が書いた詩の終わりの一節です(「心のたび」に収録)
18歳からの大都会での生活は、田舎育ちの私にとって、意外なことに心地よいものでした。この詩ははからずも私のそんな複雑な気持ちを映し出しています。
私は長く、へんに“いなか”に偏見をもっていたのかもしれません。
アサ先生は28歳で“肋膜心包炎”にて早世され、残念ながら石見に戻ることはできませんでした。
しかし、アサ先生のみならず、それを取り巻く人たちの高い志の一端を知り、熱い思いが私の中に戻ってきたように感じています。
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無題
右田アサ先生ですか。私も知りませんでした。医光寺で私塾が開かれていたことも初めて知りました。私もぜひ読んでみたいです。青志社に問い合せてみます。
ふるさとを離れ、やっとふるさとに触れる、、、触れられる、、、胸が熱くなりました。
【2012/09/2323:39】||NONAME#56a8c62061[
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