以前、父が亡くなった後に起こった不思議な出来事について、話したことがあったが、その頃に自分でも気づかなかったことに気づかされた場面があった。
父が亡くなって、なかなか完全に立ち直れなかったある日
その日も気づくと涙が頬を流れてしまう、そんな、くよくよした状態であった。
いつまでもふっきれていない私を見て
長女が不思議そうに私に声をかけた。
「ママはどうしてそんなに悲しむの。悲しむことないよ。おじいちゃんはママの中に生きているよ。」
「えっ?」
「だって、ママの笑う時の表情、声、笑い方がおじいちゃんにそっくりだよ!」
「気づいていなかったの?」
気づいていなかった。本当に
そう言われてもにわかにはわからなかった。
数日して話の途中で、娘が
「ほらっ!それ それ
今の笑い方、おじいちゃんそのものだよ!」
はっとなった。
今までそんな風に笑ったことがなかったのに、
そう、その頃の私の笑い方は父の笑い方とおんなじ。声質も一緒。
後にも先にもその頃だけ
その後、その笑い方はでていない。
おそらく、父がそばにいることを知らせたかったのかと今は思っている。
しかし、あの時、娘に
「おじいちゃんはママの中に生きているよ。」
と言われた時の驚きを今も覚えている。
子供は純粋で、うそをつかない。
本当にそう思ったのだと思う。
それ以来、私の中では悲しみという気持ちはほとんどなくなり、ふっきれていくことになる。
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