なにもかも
ゆらりと続く
故郷の
寄りては歩く
誰もなき道
毎年この時期、故郷に帰る
普段とは全く異なるあまりにもゆっくりとした時間の流れに身を任せる
日中はほとんど人に会うことのない道
何かにせかされて歩くこともなく
あちらに寄り
こちらに寄りで
目的ももたずに
歩いていく
そのような時間は
ここ故郷でなくては得ることができない
たまらなく貴重に感じるが
それも東京での生活が定着してきた証拠でもあるかと思っている
常にあると、この稀有さには決して気づくことはないだろう
再び東京に戻ると
今は私のあるべき姿をおく空間で、これまで通りに毎日を過ごしていく
何事も早く
そして目的に向かって力強く進む
この毎日も他では得られないもの
今や私にとってかけがえのないものであることには違いない
これでよいのだと思う
東京に癒されてこなかったわけでもない
故郷に帰らないと
この東京という”ふるさと”の稀有さにも決して気づくことはなかっただろう
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