2006年11月27日~12月10日に書いた
”達成感 高校3年生の「じゃじゃ馬馴らし」”をもう一度
<1部>
高校の時、6組対抗の演劇が毎年文化祭で競われた。その当時受験以外のことではしらけた学生が増えてきていて、すでに昔ながらの懐の大きいバンカラな学生はいなくなっていた。我々のクラスでも出すものが決まらず、進んでやりたがる人もいなかった。どういう経緯だったかは覚えていないが、何故か出し物を決めることになった私は、シェークスピアの「じゃじゃ馬馴らし」を選択したが、決定するまでにはいろいろともめ、同級生の前で泣いてしまった記憶がある。そこからが始まりだった。受験生だというのに、クラス全員で1学期には脚本作り、夏休みはほぼ毎日学校で大道具作りと練習、2学期に入り最終の舞台稽古と続き、私は演出も引き受けた。早朝練習の時に遅れてきた役者の代わりも演じた。あまりつらかった記憶はない。ともかく楽しかった。ただ、今でも、あの時どうしてあそこまでできたのかはわからない。
<2部>
私のクラスは理科系だったので、女子は少なかった。最終的は無関心だった男子が中心になって進めてくれた。発表の当日は無我夢中だった。劇は自分のうわずった声のナレーションで始まった。劇の最中は裏方に徹していたが、劇の途中、何回か幕が閉じた後の大道具の移動の時には、つい大きな声になり、舞台の前列には聞こえてしまうほど興奮してやっていた。苦労して作成した仕掛けのランプに、役者の動きとピッタリとあって、火が灯った時には、裏で、関わった大道具の皆のガッツポーズが思わず出たのを思い出す。役者たちもシェークスピアの舞台の如く、大げさに立ち回り、本当にうまく演じきってくれた。
すべては終わった。この時の私にはもう評価などどうでもよいことだった。言葉にはできないほどの達成感があった。
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